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ワイン不完全ガイド「シェルブロ」

戦わないワイン商 (株)Sheldlake代表村山による、ワインとかなんかそんな感じのブログ

ワインの成分分析とインボイスとGet Wildと私

皆さん

 

GW、してますか?

 

 

私は今、スピーカーから切なく流れるGet Wildをかけながら、事務所で一人、これを書いてます。

その様、さながらアスファルトタイヤ切りつけながら暗闇走り抜けるがの如く。

 

 

 

 

……

 

 

 

 

泣 き た い

 

 

 

こんにちは私です代表です村山です。

 

どうせみんな、連休とかいうやつ、楽しんでたんだろうなぁ(遠い目)。

 

 

今年も5月になった途端、仄かにネットに出始めた「GWはどこに行く!?」「GW渋滞情報!」「GW穴場スポット10選☆」などの文字列。

あまりに自分の人生に関係なさ過ぎて

 

GW? ガンガンわっしょい(仕事を)のこと?

 

って毎年思ってます。そして今年も。

 

 

 

遅れてます 新入荷ワイン

ご め ん な さ い。色々、本当に色々あって、遅れに遅れています。

新入荷ワインをお待ち頂いてる方々には、大変胸の痛む限りでございます。恋じゃありません。申し訳なさで。

 

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心と体に余裕がないもので、ブログの話題を何にも考えてないのですが私。

今回はちょっと趣向を変えてですね

 

 

言い訳しようかなって

 

 

“色々あって”とか言いましたが、「お酒を輸入する際に私のような小粒大のインポータは一体何をしているのか」の氷山の一角をご紹介することで、「いつの間にか新ワインの輸入が遅れている言い訳になっている」、という高度な技法を使います。と、今決めました。

 

 

皆様が普段お飲みになっている輸入ワインや酒類。それらが日本に入ってくるとき、裏では何が起きているのか。

ちょっとした豆知識とか程度に思っといてください。

 

 

あくまで主旨は言い訳です。

 

 

ワイン輸入には分析が必要です

上記、“色々あって”の主な一つ。それは輸入するワインの分析証関連で問題が出ておりました。

 

もちろん、今回輸入するワインの成分自体には何の問題も有りません。むしろ問題なさ過ぎて輸送中が心配なくらい。

亜硫酸塩(酸化防止剤作用の一つ)の極端に少ないものや、全くの無添加のものが、新入荷のワインに多いってことで、つまり、温度/輸送ダメージが余計心配なんです。

 

ここはかなり気を遣います。輸送中は特に、精神がゴリゴリ削られていきます。つまり今病んでます。ハゲげます。誰か癒してください。私ハゲますから。

 

 

話戻しますが、問題はそれらの書類関連

 

 

↑でもザッッックリ書いてましたが、ワインを輸入するために必要な書類の一つに、各ワインの分析証(明書)ってのがあります。「アナリシス」とか、「VH1」とも呼ばれますね。

例えばこんなの。

 

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ワイン興味ある人も、これは見たことないんじゃないでしょうか。こういうのをほいほい見せる会社も珍しいと思います。この会社の体制が危ぶまれます。こんにちは私です。

 

 

これはスロバキア共和国の分析機関による、とあるワインの分析証(各国で体裁が異なります)。そのワインが生産された各国の分析機関にワインを提出し、主な成分を分析してもらうと。 

 

総アルコール、実アルコール、酸度、糖度、総亜硫酸濃度などなどが、数値で示されてますね。

 

輸入しちゃ(ないし輸出しちゃ)ダメな成分は入ってませんよー

規定の数値を超えてませんよー(超えなきゃいけない数値もあります)」

 

ってのを、自国・相手国、共に証明する必要があるわけです。

 

んで、発行してもらった分析証を、輸入側(日本)は厚生労働省に、輸出側(海外)も各規定の機関に提出する。

 

※ちなみに、分析は海外の現地ではなく、日本の検疫所で行うことも可能だそうです。私の場合は、必ずそのお酒が生産された現地でやってもらっているわけですな

 

 

※注:“分析機関”の落とし穴

 

 

ワイン輸入にはINVOICEが必要です

INVOICE(インボイス)って書類がありましてね。これもまた、分析証と共に必須なものとなります。これを税関に提出します。 

 

 

インヴォイス? 内なる声? 内なる声に耳を傾けるとワインが輸入出来るの?

 

とか、最初思ってました。そのくらい無知でした。あと馬鹿でした。

 

 

要はですね、インボイスって請求書と考えてください。

 

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これが噂のノリ弁ですね。さすがに見せられない部分が多いのは察してください。

ノリ弁状態とはいえ、これをブログにほいほい出すやつもまた珍しいですね。この会社の未来が危ぶまれます。こんにちは私です。

 

 

売り手側が、買い手側に発行するもの(売り手というのは、メーカーと買い手の間に入った輸出者とかシッパーも含めます)。

商品名や生産者、その容量、数量、etc…。そういった貨物の情報が記載されていると同時に、売り手→買い手のいわば「請求書」として、また「納品書」としても機能します。

 

これが私にはなかなかピンと来ませんでした。輸入必要書類の一つが「請求書/納品書」ってのが。

 

 

このインボイスは食品だけではなく、あらゆる貨物貿易における通関手続きには必須って代物です。

 

 

各書類の整合性が大切です 

先程、↑で添付した分析証をズームイン。

 

※分析証

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この分析証が対象としている“貨物名”、それは「Chardonnay 2012」です。そして、生産者名も記載されています。

 

「2012」ってヴィンテージ部分をハイライトしたのには理由があります。

重要だからです

 

 

同じく↑で添付したインボイスをめっちゃカットしてズームイン。

 

※INVOICE

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記載されてますね。「Chardonnay 2012」って。

 

 

整合性」とか偉そうに言いましたけど、簡単な話です。

 

分析証・インボイス。その他にも、必要書類ってのは沢山沢山沢山沢山あるんですが、こういう貨物名表記一つをとっても、すべて一致させる必要があります。

もちろん、実際の商品のラベル表記も同じくです。

つまり

 

「この分析証は、インボイスのこれに該当し、それらはこの商品のことなんだな」

 

と分かるようにしなければならないってことです。

 

インボイスに「Chardonnay 2012」って書いてあるのに、実際のワインのラベルに「Pinot Noir 2012」

 

とか

 

インボイスに「Zweigelt 2015」ってあるのに、その分析証におけるワイン名は「Blauer Zweigelt」

 

になってたりとか

 

こういうことがあると、少なくとも、通関に引っかかったりして無駄な時間をワインに与える可能性がグ〜ンと上がってしまうってわけですな。

 

 

 

「いや当たり前じゃん」

 

って思ったあなた。そう、当たり前の話なんですよ。

 

 

で も ね

 

 

結構起こるんですよね、これが。私の不運を引き寄せるカルマがそうさせているだけかもしれませんけど。

 

 

ワインの分析証が届いたら

 

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※画像はイメージです、私の

 

分析機関から分析証が上がってくるじゃないですか。提出の前に自分でチェックします、しっかり。

まずは、取扱ワインの成分結果の数値をデータに打ち込んでいきます

 

「このワインの新ヴィンテージ、やっぱり少し糖度低いなぁ」

「酸度良い感じに伸びてるなぁ」

「亜硫酸塩濃度、こんなに低いんだぁ」

 

そんなことを思いながら、日本にワインが到着して試飲するその日を妄想してニヤニヤします。変態です。

 

 

し か し

 

 

例1:ヴィンテージ表記が違う

分析証の、ワイン名の記載をチェックします。

 

 

え…注文したワイン(インボイス)と…ヴィンテージが…違うでござる

 

 

ワインにおいて、ヴィンテージは重要です。だって毎年気候が違うんですから、ブドウのデキが違いますよね。同じ品種でも、ワインの味に変化が生まれます。

 

でも、これは貿易においても同じことです。

ヴィンテージが変われば、全く別のワイン(貨物)と判断されます。言われてみれば、これも当たり前のことですね。

 

 

ここで考えられる犯人は二人。

  

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容疑者1:ワイナリー

「ワイン名間違えて申請しちゃった☆」

 

容疑者2:分析機関

「表記間違えちゃった☆」

 

 

 

 

 

こ〜いつ〜☆おでこツーン

 

 

 

 

こんな感じで、よりによって一番重要なとこでミスが発生することがあります(主にワイナリーで)。

 

表記が各書類で食い違うと、後々大変なことになります。

なので、「こ〜いつ〜可愛いやつめ〜☆」って、丁重に修正をリクエストします。

 

 

例2:そもそも分析機関に提出したワイン間違えた

分析証のワイン名をチェックします。

 

 

え、なんか……ワイン名…全然ちが…

 

 

この事件は難問ですね

 

 

いや犯人明らかだろ

 

 

このようにですね、おっちょこちょいのドジっこ天然ガールばりのミスがワイナリー側に発生したことがあります。

 

そんな時も、焦らず「こ〜いつ〜可愛いやつめ〜☆」って、即座に修正をリクエストします。

 

 

正直、内心は冷や汗かいてます

 

 

番外編:保健の立入検査がワイナリーに入った

食品メーカーなんかは結構あることなんですが、国の保健機関から、立入検査が入ることがあります。事前に「〇〇日くらいに行くよ〜」って連絡が来るらしいです。

あれですよ?なんにも悪いことしてなくても、定期的にやる検査ですよ?

(日本でもありますよね。飲食店なんかでも、保健所から抜き打ちで検査が入ったりします。)

 

 

ここからが問題になるんですが

 

一度この立入検査の予定が入ると、保健検査が終わるまでワイナリーはワインの成分分析を機関にリクエストできないんです。

 

 

ワインを輸入したい。「分析出してくれ」ってリクエスト出しますよね。 

普段なら

 

分析が終わるまでの期間

 

のみですが、このタイミングで、運悪く保健立入り検査の予定が入ってしまうと、結構な時間のロスが生まれます。つまり

 

立入り検査までの期間 分析が終わるまでの期間

 

になるということです。

 

 

言い訳の結論

今回の輸入では、上述「例1」と「番外編」、ダブルで来ました

 

なにこの引きの良さ。Get Wildのイントロが、胸に沁みます。

 

 

 

一番大変なのはお客様の求めるワイン選び 

さて、いかがでしたでしょうか。

 

『“ワインを輸入する際に裏で起こっていること”の豆知識を長々書くことによって、結果、言い訳にしよう』の巻きでした。

 

 

ものすごい簡易的に書いてますが、例えば輸入必要書類ももっと沢山ありますよ?

現地とも、通関士の方とも、連絡を密に取り続けますし。

 

 

 

何より精神的にくるのは、どんなワインを、どのタイミングで、どのくらい輸入すべきか、の決定。

決定したあとも、「本当にこれで良かったんだろうか」っていう自問が止むことはありません。

こうやってきっと、私はハゲていくんです。

 

 

きっと6月初頭には、お客様の元にお届け出来るのではないでしょうか。

それまでの間、大変恐縮ではございますが、もう少々お待ち頂きたく存じます。

 

 

無事ワインが日本に届くまで、Get Wild & Toughの精神で、解けない愛のパズルを抱いて精進します。

 

 

 

※注:“分析機関”の落とし穴

 

「公的な分析機関ならどこでも良い」わけじゃないんですな、これが。あくまでも「日本の厚生労働省で認められている分析機関」である必要があります。

 

ある通関業者さんにお聞きしたエピソードですが、とあるワイン輸入会社さんでこんな大事があったそうです。

 

現地の分析機関がまだワインを分析中、商品となるワインはすでに日本を発っていました。日本にワインが到着する直前、なんとか分析証が発行されました。やったね。一安心です。

さぁ通関・税関手続きしてようやくワインが手元に、という段階で、なんと「これらのワインは一切通すわけにはいかない」と通関で引っかかりました。

そう、提出した分析証は日本の厚生労働省で登録されていない分析機関のものでした。

 

会社は大わらわだったそうで。想像するだけで、私は胃が痛くなります。想像嘔吐しそうです。

結局、新たな機関で分析証が発行されるまで、かなりの時間、温度設定のされてない場所に保管されてしまうことになりました。

 

ワインにダメージを与える可能性が跳ね上がるわけです。ワインは生もの。早く通関その他の手続きを終え、しかるべき場所に運び入れなければいけません。

ものによっては(酸化防止剤がいっぱい入ってるものとか)そのくらいで変化しないでしょうが、例えばいつも弊社が輸入してるようなワインで同じことが起きたと思うと。…ちょっと想像嘔吐してきます。

 

このような問題、実は定期的に起こっているそうです。

これから食品の輸入をする方、いらっしゃいましたら、このような点も事前に要チェックです。お兄さんとの約束だぞ。

 

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株式会社シェルドレイク 代表 ムラヤマ

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