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ワイン不完全ガイド「シェルブロ」

戦わないワイン商 (株)Sheldlake代表村山による、ワインとかなんかそんな感じのブログ

ビオワインってなんだ 3

  ~ 前回続き ~


ビオワインの分類

一口に「ビオ/自然派ワイン」といっても、その栽培の手法により分類があります。

 

(※以下は、あくまで大ざっぱな分類です)

 

手法というより、「哲学」や「世界観」といった趣になるかもしれません。

 

 

 

 

ビオロジック - Biologique -

 いわゆる「有機農法」ってやつです。

「化学肥料や除草剤、農薬を使用しない」というと簡単なんですが、よく聞く「有機農業」の概念はもう少し踏み込んだものなんです。

例えば、EUで規定されている「有機農業」の要点って、主にこんな点に集約される概念。  

 

◯土壌・生態系および人々の健康を支える生産システムであること

◯その土地ごとに適応した微生物や小動物などの生態系プロセスの循環を活用すること

 

そう、“ただ使わない”んじゃなくて、その土地に住む微生物とか小動物までをも含めた、生態系の循環までを考慮に入れます。

 

アメリカ的に表現するなら、「サステイナブル」。

アメリカのワイン業界では「Sustainable Wine Growing」なんて言葉が広まって久しいですね。

やっぱりEUとは趣を異にしていて、このサステイナブルの考え方は「農業」だけでなく「企業経営」にまで及ぶそうです。 簡単に言っちゃえば  

 

  • その企業のあり方が、社会にとって、そして環境にとって、どんな役割を果たしているのか

 

と考えます。

この辺の、同じムーブメントを巡る、“文化によって変わる方向性の違い”ってのは面白いもんです。

 

 

ビオディナミ - Biodynamique -

 「ビオロジック農法」から、さらに一歩踏み込んだ考え方。

多分、特に科学的な分野の方は頭が痛くなるような農法、というか、もはや世界観とも表現されますね。

 

そのルーツは、オーストリアの哲学者&科学者のルドルフ・シュタイナー(1861~1925)って人によります。

このお方が晩年、“農業”に傾注するようになったそうで。その頃に語られた講義の内容が、この「ビオディナミ農法」の根本になるそうです。

 

ポイントは3つ。 世界観特殊な調合剤、それを使用するタイミング。

まずは簡単に説明しますと

 

その畑を宇宙の動きの中の一つとして位置づけ、月の満ち欠け、惑星の運行など、天体とのバランスを考えながら行う農法。 畑(土壌)は、宇宙という大きな枠組みの中の、一つの生命と捉えられます。

 

ね。もうなんか、すごいでしょ。

人によっては“宗教的”な、“超自然的”な、怪しいものに聞こえるでしょう。

 

そして、この農法の実践者たちは「月齢カレンダー」(新月を起点とした経過日数。月の満ち欠けの状態を知るカレンダー)に従い、プレパラシオンと呼ばれる特殊な調合剤を使用します。 その「プレパラシオン」という調合剤が、これまた。

各種調合剤は、“500番”とか“504番”とか、番号で呼ばれます。 その一例は、以下の様なもの。 

 

500番 牛糞を雌牛の角に詰めて、 冬の間土中に埋めて発酵させたもの
501番 石英(水晶)を粉末状に砕いて雨水と混ぜ、 雌牛の角に詰めて春に土中に埋めたもの。 秋に掘り出す。
502番 アキレア(ノコギリソウの仲間)の花を 雄鹿の膀胱に入れて発酵させたもの

 

ね。もうなんか、すごいでしょ(通算2回目)

こういうのに普段触れない方々からすると、ほとんど黒魔術みたいに思えるかもしれませんね。

改めて見て頂けると分かる通り、全て自然由来のものから調合されます。 これらの調合剤を、月齢カレンダーに従い、適切なタイミング、適切な方法で、使用します。

これらの調合剤が土中の微生物や小動物を活発化させ、土にエネルギーを与える、というわけです。

 

 

と、以上、ザックリなんですが 「ビオワイン」って言っても、色々なんです。

 

 

「自然派ワイン」の潮流はなぜ生まれたか

 前回記事でも書きましたよね。  

 

むか~しから、自然と人に寄り添った農法・醸造でワインを造ってた人たち、当然いるわけですよ。 「ワインは自然の賜物」っていうような、確固たるヴィジョンをもって。 “誰かに決められた”わけじゃなく、自主的に。 

 

科学・化学技術が発達する前、人々は化学肥料とか除草剤とか農薬とか、そういったもの無しでブドウを栽培をして、ワインを造ってたんですよ。 「ビオ/オーガニック/自然派ワイン」なんて銘打たなくたって。

そりゃそうですよね。

 

産業革命以降、地球の人口は爆発的に増加しました。 大量に、容易に、そして安く食糧を生産するために、除草剤を始め様々な化学薬品開発され、過度に使用されました。

当然、ワインに関してだって、そうです。

これらの技術は、多くの人類の食糧事情を豊かにしましたよね。

 

でも、皆さんも歴史からご存知の通り、往々にして人間は「やりすぎる」んです。

公害、自然破壊、地球温暖化、etc…

 

そういった「技術」への反動から、「自然に敬意を払う栽培」、そして飲む人だけでなく、ワイン造りに従事する人々を含めた「人間にも優しいワイン造り」が徐々に立ち上がりました。 もちろん、ワインだけではなく、「農作物」全般にこのような考えが広まります。

「オーガニック〇〇」という言葉は、すっかり耳馴染んだものですよね。

 

その意味では、この「ビオ/自然派ワイン」ムーブメントは、一種の“カウンターカルチャー”と言えるかもしれません。

 

 

さて、今回は主に[栽培過程]のお話でしたが そろそろ[醸造過程]の方へ。 お付き合い頂ければ幸いです。

 

~ 続く ~

 

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株式会社シェルドレイク 代表 ムラヤマ

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