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ワイン不完全ガイド「シェルブロ」

戦わないワイン商 (株)Sheldlake代表村山による、ワインとかなんかそんな感じのブログ

ワインの眠る場所 ~トンネルの向こうはカーヴでした~

     ~ 前回続き ~

 

 

さて、よく「ワインの保管には12~15℃を保つ」ことが重要だといわれます。
これは確かなことです。

しかし、じゃあ15℃を越えたら、もしくは10℃位まで下げたら、ダメになるのか

というと、そういうわけではありません。

そこまで弱いものじゃないんですよ。ち ゃ ん と 栽 培・醸 造 さ れ た ワ イ ン な ら。

※でも、20℃を超える場所とか、10℃を下回る温度なんかだと注意した方が良いです)  

  

ワイナリーの貯蔵庫では?

 

ワインを造っている“ワイナリー”では、醸造が終わり瓶詰めした後、一定期間、自らの“カーヴ”(ワイン貯蔵庫)で保管し、その後出荷されます。
ものによっては、ここで2年とか3年以上、ワインを“寝かせて”から出荷されるものも。
いわゆる「瓶熟」(瓶内熟成)ってやつです。

その「カーヴ」とは、フランス語で「洞窟」を意味しますが、その名の通り大抵は地下を掘って造られた冷暗所。

 

夏は非常に涼しく
冬でも寒くなりすぎない
適切な湿度(75~80%)も一定に保つ
暗所

 

という、ワインにとっては“ストレスのない環境”なわけです。

下の写真は、この前視察に行った、とあるスロバキアのワイナリーのカーヴたちの入り口。  

 

 

ワイナリーによって、いろいろあるでしょ。

外は暑かったにも関わらず、カーブに下りた途端、かなり寒いです。油断すると風邪引きます。「トンネルの向こうは、不思議の街でした」を体感できます。不思議でもないし街も無いけど。

 

 

カーヴでの温度変化

しかし、一年を通じて全く温度が変わらないわけではありません。

場所によりまちまちでしょうが、例えば、かのフランス・シャンパーニュ地方(夏めっちゃ暑い、冬めっちゃ寒い)のカーブなんかでも、真夏になれば17℃とかまで上がるし、真冬は10℃近くまで下がるそうです。
空調で室内温度をコントロールするところもありますが、「昔から、このままほっとけば自然に良いワインになるんだ」って、空調なんて使わず自然な温度変化に任せるってところだってあります。


ここが重要なんですが

 

 

それらカーブでの温度変化は、年間を通じて緩やかに進みます。

急激じゃダメなんです。

弊社サイト内でも書いたように、「急激な温度変化に晒す」ことは、ワインに良くない環境の最先鋒です(もちろん、“5℃とか30℃の環境に長期間晒す”とかってのは論外ですが)。

 

 

「ワインを寝かせる」と「温度」の関係

で、この「緩やかな温度変化」が、「ワインを寝かせる」ことと密接に関係してきます。

 

先程、瓶詰めしたワインを、ワイナリー側で3年位寝かせてから出荷するワインもある、と書きましたが、なんでこんなことするんでしょう。だって、ワイナリー側からしたら、とっとと出荷してお金に換えたいわけです。ワイナリー経営だって楽チンではありません。

 

寝かせてから出荷することに、意味があるからです。

 

“このワインはそうあるべきだ”と、判断しているからです。

 

 

で、その寝かされる環境が、もしも一定の、全く温度変化のない環境だとしたら、どうなんでしょう。

この場合、瓶内熟成は進まないと言われています。

 

 ちょっと化学的な話も入ってきて長くなるので、理屈はここでは省略させて頂きますが

年間を通じて、緩やかに温度変化があることによって、瓶中のワインの化学反応が進み、熟成を促すんです。“コルクのわずかな隙間からの酸素の流入”が関係すると言われます。

「酸化還元熟成」といわれるもの。

だから、なるべく自然な温度変化を与えられる地下カーヴが良いってわけです。
昔の人々は、化学的なこととか分からなくたって、経験からそれを理解してたんでしょう。

 

ちなみに、この瓶熟に関して、あまり触れる気はありません。“ブラックボックス” 過ぎるんです。

だって  みんな 意見が 分かれ過ぎてて。  

“お前の言ってるのは全く違う!” とか言われたら面倒です。吹けば飛ぶ会社ですし。

ワインの「熟成」って、未だに全て解明されてない部分が多くて、謎の多い分野なんです。

造っている生産者でさえ、よくわかってません。彼らは、ほぼ経験則です。

 

あらゆる専門家、ソムリエさん、インポーターさん、ワイン屋さん……みんな言ってること違います。

“温度変化が無いと熟成しない” “温度変化とか関係ない” “コルクからの酸素なんて関係ない” “還元的熟成なんだ” etc……

いろんな本やらネットやら、いろんな立場があるようです。普通の方々だったら、そりゃ混乱しますよね。

 

 

と、ワインにもいろんなタイプがあります。

 


若々しさ・フルーティさを重視し、すぐ飲まれるもの。
ワインの熟成を重視し、熟成の進行を充分に待って飲むべきもの。

 


生産者、生産地、品種……それぞれの要素で、それぞれのワインが生まれます。

だから、ワインって余計に難しく思われます。

 


でも、だからワインには面白さもある。

 


そんな伝え方を、業界の方々みんなで出来たら良いのにな
なんてことを、漠然と考えてます。

 

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株式会社シェルドレイク 代表村山

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