ワイン不完全ガイド「シェルブロ」

戦わないワイン商 (株)Sheldlake代表村山による、ワインとかなんかそんな感じのブログ

ほぼ全裸で起業して3年が経ちました

博多より 虚無を込めて

 

 

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こんにちは私です代表です村山です。

 

 

 

人間が 多すぎる

 

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多すぎた。多すぎたんだよ、人間は。

この地球(ほし)に生きとし生けるものの頂点に君臨して以来、自らの種を存続させるため有り余るほど過剰に他生物を喰らい、過多なるほど自然を拓き、結果全人類の吐き出す二酸化炭素を吸収しきれないほど山は枯れ、海は泣き、風は止み、神は背を向け、もう読者は何を言ってるのかわからないだろうし私もとっくにわからないんだけど

 

「人間の欲望の最果て、その具象の波が私に襲いかかってきています」

という旨のシュプレヒコールをあげたいくらいには人間が多すぎる、と言いたかったんです私は。

このクリスマス、博多には日本人口1億2千万人のうち、1億3千万人くらいは集まってるんじゃないかな。

 

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博多に来る度にいつも思うけど、たぶん駅内の人の多さなら東京駅に匹敵するんじゃないですかね。

さすが博多、今最もアツい街。アツくなりすぎて、性病者数が近年爆増してるって記事をこの前見かけました。もう最高ですね。

 

あまりの人の進まなさに、もう

 

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って気円斬をアンダースローの要領で低空に投げ、愚かなる人間どもをバッタバッタとなぎ倒し、博多駅に凄惨なる光景を現出させる妄想をしながら、「あ すいません………あ 通ります…」って牛歩で進みます。

 

寄るべき現場を回り、仕事を終わらせ、ようやくホテルにチェックイン。

「はあぁぁ〜〜〜ぁ」と奈落の底から息を吐き、ベッドに腰を下ろすと、最近泊まった出張先のホテルの中では破格の大きな大きな窓。

 

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この窓の前でいきなり全裸になってやりましたからね。「見ろよ…ほら見ろよ!」って謎に胸を張って。

いや変態とか性癖とかじゃなくて。これはなんて言うんだろう、体制に対する反逆心とか、なんかそういうやつ。「パンク」ってこういう気持ちから自然発生したものなんだなって、その時私は理解した。絶対違うと思うけど。

 

 

気がつけば4年目突入

毎年、街のイルミネーションを見てから、ようやく思い出します。自分の会社のアニバーサリーを。

本当に2日前まで気づいてなかった。あまりの苛烈・激烈・奇想天外な仕事あれこれに押し流され、そんなことは頭に浮かぶ余地が一切なかった。

 

毎年思うんですけど、なんで私シェルドレイクをクリスマスなんかに発進させたんですかね。

 

バカじゃないの、シェルドレイクの人

 

って毎年思ってます。これ書きながら、今年も思ってたところです。来年から、夏くらいの開業って歴史改変しようかな。

 

「誰かがシェルドレイクを祝ってくれる」という余地が限りなくゼロに近くてブルーじゃないですか。だって、みんな祝うのはキリストの方なんだもん。

キリストっていいよなぁ、みんなに祝われて。もうキリストの方からこっちを祝ってこいよマジで。

でもまぁ、クリスマスが誕生日のせいで、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントが一つにまとめられる悲しみみたいなやつをキリスト君は背負ってると考えて溜飲を下げましょう。

 

 

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飛行機からの風景を眺めながら、目が回るような1年を思う。

あまりに苛烈な1年で、なんか夢だったみたいに感じます。昔観た映画を思い返してるような。

 

まず思うことは、何よりこれ一択。

 


丸3年 よく潰れなかったなぁ

いやほんとに。

 

しかしながら、去年、そして一昨年の売り上げと比較したところ、今年度は確実に上がってるんです。上がったって言っても、微々たるものですけど。

関わりあう合う人、そして支えてもらってることが、それだけ多くなってるってことですね。

 

悩んで、うなって、困り果てて、喜んで、嬉しくて、ふてくされて、怒って、また喜んで。そんな繰り返し。

 


この1年、どのくらい進んだんだろう。毎年思います。

 

1歩も進んでない気がする。

いや半々歩くらいは進んだような。

でもやっぱりこの方向は前じゃないかもしれない。

針のない羅針盤を持って彷徨うかのような365日。 

 

 

今年は辛かった。本当に辛かった。

 

身体の酷使よりも、心の酷使をずいぶんとした。こんなに感情が一定方向にだけ投げつけられ続けるようなことは、今までの人生でなかった。多分これは今しばらく続くだろう。 

 

親父が逝った。大変世話になった方も亡くなった。たくさん笑いあったあの人も亡くなった。

 

背負うなんて考えもしてなかったものを、背負うことになった。

 

誰にだって起こることだ

仕方のないことだ

逃げるわけにいかないんだ

 

題目のように唱え続けながら走った1年だった気がする。

投げつけられた心を今見つめてみると、あちこちひどい傷が見受けられる。幸い致命傷は無いようだけれど、我ながらちょっと同情する。

 

致命傷を避け、それでも平気にしていられるのは、きっと心の強度のおかげでは無い。

ふとした時に、色んな人が支えてくれてることに気づく。気にしてくれてるんだって感じる。

すると、方向はどうあれ、まずは靴を履いて、この足を進めてみようと思う。

生産者がいて、パートナーがいて、お客さんやお店さんがいて、シェルドレイクがある。

こうして私は生かされている。

 

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まぁ人間、生きてりゃ色々ありますね。

こうして人間一人の器に、塵のように少しずつ堆積していって、層になって、厚みになって、人生って呼ばれるようになるんですね。重くもなるわけだ。

 

 

ほぼ全裸状態で起業して、シェルドレイク、4年目にぬるりと突入します。

 

来年は明けて早々に、いよいよ新規ワイナリーからのワインがどっと押し寄せます。

スロバキア、そしてチェコから、珠玉のワインたち。早く皆さんに飲んで欲しくて、そわそわしてますよ。

 

お楽しみにしていただければ幸いに存じます。

 

年末年始、引きこもり用ワインのご注文もお待ちしております。

 

 

 

シェルドレイクのワインが

あなたの素敵な時間を演出する一助となりますように。

 

 

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株式会社シェルドレイク 代表 ムラヤマ

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チェコの自然派ワインフェス『AUETNTIK FEST』が天国への階段だった件につきまして

※本記事は写真が多めに添付されているため、読み込みが遅いかもしれません。ご迷惑おかけします。

 

 

こんにちは私です代表です村山です。

 

 

前回まで2回にわたり、新規ワイナリーのご紹介をさせて頂きました。

 

 

生産者のこと、その土地の雰囲気などが少しでも伝われば、これ幸いに存じます。

読み直したら、なんかちょいちょい記憶にない無駄な心の声が入ってたりして「手グセって怖いな」って。

もっとスマートな、インテリジェンス溢れる文章を心がけます。

 

 

ワイナリー視察探訪 番外編

さて、今回は番外編としまして視察旅の一部をご紹介します。

だいたいワイン飲んでます。多分この視察中だけで、ワイン20本分以上は飲んでます。「早死」という高速道路を時速150kmで走ってる感じでしょうか。

  

ワイン好きの方も、逆にワインに興味のない方も、「こんな場所あるんだな」「こんな文化あるんだな」みたいに感じて頂けると、早死ハイウェイを走っている意味が多少出て来ます。

 

今回は、チェコで行われる ナチュラルワインフェス に参加したので、その模様をお送りします。

 

「中央ヨーロッパ・ナチュラルワインの今」

 

って文章書けるんじゃないかってくらい、勉強にも刺激にもなりましたぞ。

 

 

チェコの小さな村で開催される自然派ワインフェス

視察日程の真ん中あたり、このワインフェスティバルへ参加しました。

 

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イベントのパンフレット。デザイン超かっこいい

 

- AUTENTIK FEST(オーテンティック フェスト) -

チェコの南部、モラビア地方のとある小さな村で行われる、自然派ワインフェスティバル。
チェコを中心に、スロバキア、オーストリア、ハンガリーなど、周辺国のナチュラルワイン生産者が自ら出店し、ワインを振る舞う。美味しい郷土料理なんかも出店され、まさに“フェス”な賑わいを見せる。

決して大規模なイベントではないが、参加する生産者のレベルが高いと評判。去年が初開催で、今年で2回目。

 


 

※「Autentik」の意味については、文末にまとめます。

「ナチュラルワイン」「ヴァン・ナチュール」の最新の呼び名に関係します。

↓ ↓ ↓

Autentikとは 〜「ナチュラルワイン」の呼び名 最新版〜

 


 

 

日程調整のため、現地とSkype会議していたある日の事

 

 

ワインイベント行きたい行きたい行きたい行きたい行きたい行きたいーーーーーーーージタバタジタバタ

↑ 37歳 男性

 

 

ってグズりまくったら行けることになりました。大人の本気って怖いですね。

 

 

本ワインフェスに行った結果

前々から、一度は行ってみたかったんですよね、スロバキアとかチェコのワインイベント。

「経験として」っていうのもあるし、「良い生産者に出会えそう」な気がしてたしまじで出会えたんだなこれが

 

 

スロバキアの自然派ワイナリー・Kasnyik前回記事でご紹介したんですけどね。

このAUTENTIK FESTに出展してました

 

その他にも、そのワインを飲んで

 

…いつか絶対に日本に持ってくるんだから…

 

って思った生産者、数組に出会えました。その生産者のこと、ワインの輸入などはまた別の機会に。

 

 

開催場所:閑静で小さな村

さて、スロバキア首都・ブラチスラヴァから車で1時間ほど。ワインフェスが開催される村に到着です。

 

 

ぃよ〜〜し飲むぞぉぉ。お祭りだーーーー!!!(「紅だー!」のテンションで)

↑ すでに仕事を忘れていた37歳男性

 

 

意気込んで車を出ると

 

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す ん ご い 静 か 

 

な〜んにもない。人っ子ひとりいない。

 

フェスの喧騒が遠くに聞こえてくるのではないか、と耳を澄ませます。聞こえてくるのは、風に揺れる木々のざわめき、鳥のさえずり。

 

え、まじでこんなゴーストタウンでワインフェスなんてやってる…? 場所間違えた…?

 

と、不安になりながら散策すること数分

 

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案内看板がありました。

 

あったけどさ。

 

あのさ、安心したけどさ。なんていうか、その

 

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もうちょい目立たせよ?

 

控え目すぎない? 恥ずかしがり屋さんなのかな? 「みんなに見られるの恥ずかしいよぉ///」っていう主催者さん? 可愛い。

 

案内に従い、丘の上にある会場に向かって歩きます。

 

 

会場は空の下

会場に到着すると、ようやく人に出会えました。

 

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会場入り口。ここで受付してオリジナルグラスをもらう

 

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そうか、ここに天国への階段があったんだね。私の骨はここに埋めてください。 

一般に「テンション」と呼ばれる形のない何かが、私の中でぶち上がります。もう最高です。

 

野外で行うナチュラルワインフェス」。なんて良い響きなんでしょう。めっちゃワクワクします。

 

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↑ ワインだけでなく、スープや焼き菓子などの郷土料理も食べれます。 

  

 

ブースの様子

いろんな人に出会いました。

 

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↑ 前回記事、Kasnyikの弟・Gabrielさん。この次の日、Kasnyikに視察に行きました。

「明日行くよ」ってご挨拶したら、自家製のリンゴジュースくれました。感謝。

 

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↑ この生産者も、ストレコフの生産者。視察しに行きました。めっちゃいい顔。心のとても優しいおじいさん。視察の時も、すごく良くしてくれました。いつか輸入します。

 

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↑ こちらはチェコの生産者。多くのキュベを用意してて、目移りしちゃいます。

 

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↑ 今スロバキアでカルト的人気を博している小ワイナリー。絶対に輸入してやるって思ってる生産者の一人。

 

 

出展ワインを飲んでの所感

この自然派ワインフェスに行ってみて、たくさんたくさん考えた事、感じたものがあります。以下はその一部。

 

  • 参加しているワイナリーのレベルが非常に高い
  • 同地域のワイナリー同士でも、各個性がわかりやすくワインに出ている
  • オレンジワインの流行はまだ続いている(が、多くはコッテリなものじゃなくてフレンドリー)
  • 「商談」の側面は控えめ

 

最後の項目に関して。

日本で私が参加して来たこういうワインイベントって、当たり前のように、商談的な場面をよく見かけます。

しかし、この「AUTENTIK FEST」では、そのような商談場面をほとんど見かけませんでした。 

 

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生産者へのインタビューコーナーなんかも

 

みんな「ただ“フェス”として」、「村の催し物として」ワインを楽しみに来ているって雰囲気に包まれた空間。何よりもそれが、気持ちよく楽しめた主要因ですね。

 

 

飲む飲む飲む飲む、そして飲む

↑ 大業な<h4>タグ見出しにしてますけどね。超絶・弱小・貧弱会社とはいえ、私だってワインインポーターとしてこのフェスに来てるわけです。

 

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お仕事で、来てるわけです。

 

 

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ただ漫然とワインを飲みまくるなんて

 

 

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そんなにバカじゃありません。

 

 

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常に頭には「仕事」という文字が

 

 

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「イエエェェェェェェェエエエエエィ!!!!!」 屈しました。

 

ダメでした。圧倒的にダメでした。あまりの参加ワイナリーのレベルの高さと、会場の気持ち良さに、かしづくように、ひれ伏すように、ダメでした。頭から「仕事」が吹き飛びました。

 

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 ↑ もはや二刀流とかしてますし、その結果

 

 

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酔っ払って犬に話しかけてます。

 

いや〜飲んだ飲んだ。 

 

 

日本の試飲会にも置いてほしいアイテム

あと、会場の随所に面白いものが設置されてました。これは目から鱗。

これ見たことあります?ワイン好きの諸兄姉方。私は初めて見た。

試飲会の会場にこれあったら、めっちゃ便利ですよね。

 

 


 

 

以上、チェコの小さな村で開催される『AUTENTIK FEST』の様子の一部をお送りしました。

雰囲気だけでも伝わって欲しく写真バンバンあげちゃいましたけど、ご興味持ってくだされば幸いです。

 

ものすごい勉強になりましたね、本当に。中央ヨーロッパのナチュラルワイン、その最前線を垣間見れた気がします。生きてる情報って、ものすごく貴重。

 

 

来年も行きたいので、みなさんも一緒に行って飲みまくりましょうナチュラルワインの最前線を感じに行きましょうよ。

 

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  § Autentikとは 〜「ナチュラルワイン」の呼び名 最新版〜

この[AUTENTIK FEST]。ナチュラルワインのイベントなんですけど、そもそも『 “ AUTENTIK ” ってなに?』って思いません?

 

中央ヨーロッパだと

Autentik(オーテンティック)

 

英語で

Authentic(オーセンティック)

 

の事ですが、昨今のナチュラルワイン業界においては、日本人が「オーセンティック」と聞いてイメージするものとはかなり異なります

 

本物の」「根源的な「元々の」

 

といった意味で使います。

 

そして今、ここ中央ヨーロッパ辺りの生産者の間では

 

「Natural Wine」「Organic Wine」「Vin Nature」

||

AUTENTIK WINE

 

と表現しています。

今回視察した自然派ワイン生産者たち、みんなこの表現を使って会話してました

自然に使ってくるんですよ。「Autentikなワインは〜〜〜」とか、「あそこのワイナリーはAutentikじゃないね」みたいな感じで。

 

2年前まで、私はこの表現を現地で聞いた記憶はありませんでした。

つまり、この「Autentik」という表現、つい最近使われるようになった最新の言葉という事ですね。

 

ワイナートさん、私への取材お待ちしております(嘘です怖いから来ないで)。ワイン業界の方なんかは、これ知っとくと良いかもしれませんよ。

 

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ワイナリー視察探訪2 〜スロバキア 伝統の家族経営ワイナリー編〜

こんにちは私です代表です村山です。

 

引き続き、我がか細き指は風となり光となり文字を打ち込みます。誰かスパーカミオカンデで計測して。

 

 

この夏、視察の旅路で出会ったワイナリー紹介の続きです。

前回、そして今回の2つのワイナリーが、次輸入する新規ワイナリーとなります。

 

前回記事がこちら ↓

※「ワイナリーについて」の記事となります。個別のワインに関しては、来月ごろ記事にします。

 

前回は、私にとっての新天地、チェコのワイナリーをご紹介しましたが

今回は、弊社シェルドレイクの本拠地(誤用)、スロバキアから。

 

強靭な哲学、強固な信念、しなやかな対応力。

飲みながら、気がつくと目を閉じているほど深く、綺麗で、美味しいワイン。

 

そんな、卓越して素晴らしいワイナリーに出会いました

 

 

スロバキア 自然派家族経営ワイナリー

産地について

 

「ずーーーっと 気になって仕方なかった。でも時期が来るまで、本当にいい生産者が見つかるまで、視察を勿体ぶってた」

 

そんな産地が、私の中でずっと熱を持ち、舌なめずりして待ってました。

 

その産地というのが、Strekov(ストレコフ)

 

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南スロバキア、二トラ地方Strekovというがあります。

 

※ストレコフを「Region(地方)」と間違っているな って記事や言説がよくみられますが、ストレコフは「村」ですよ。「ニトラ地方・ストレコフ村」です。

 

ここはですね、スロバキア国内のワイン産地の中でも、かなり有名なんです

このあとご紹介するワイナリーからお聞きしたことですが、「ストレコフでは、100年くらい前までは住民の誰もがブドウ畑を所有してた」ってくらい、ワイン造りの文化が色濃い産地。

 

そして近年は特に、ナチュラルワインの生産者が多いってことで、国内だけでなく周辺国にも名を馳せています。

 

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※ストレコフ到着直前の車窓。ずっとこんな。

 

首都・ブラチスラヴァから車で1時間半ほど、草原をひたっっすら走り続けると、遠くに延々と続く丘陵が見えて来ます。ストレコフ村のブドウ畑です。

  

「Strekovは、スロバキアのワイン生産区域の中でも最も暑くて晴れの多い地域」

 

と現地で言われてるんですよ。

 

過言じゃないな こりゃ

 

ストレコフのブドウ畑を遠くに仰ぎながら思ったものです。

昔の人は感覚的にわかっていたんですね。ブドウ栽培に最適な場所だってことが。

 

1日中、太陽の光が当たり続けるよう南〜南西に拓かれている畑の斜面。

燦々と降り注ぐ太陽。

適度に乾燥した気候。風。etc… 

 

二日にいっぺん二日酔いになっていた私ですが、こんな光景と空気の中にいるだけで、心が大型洗濯機で洗われていくようです。心だけで、胃は全然洗われませんけど。そうして二日酔いが延長されていきます毎回。

 

 

生 産 者 紹 介

そして、出会ったワイナリーがこちら。

 

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ワイナリー・Kasnyik(カスニック)

 

2006年、スロバキアのストレコフにて設立された、家族経営による、生粋の自然派ワイナリーです。

 

そして、ワイナリー・Kasnyikの核となるのがこちらのお二人。兄弟です。

 

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左がお兄さんのTomás Kasnyikさん。主にマーケティングを担当します。

右が弟さんのGabriel Kasnyikさん。主に醸造を担当します。

そして、栽培に関してはお二人で行います

 

例えば、収穫時期。

毎年微妙に異なる、針の穴に通すかのようなジャストタイミングを狙います。毎日畑に出て、ブドウを口にしながら、お二人で話し合って決定するそうです。

 

ここからは、弟のGabrielさんに色々お話ししてもらいます。

 

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※弟のGabriel Kasnyikさん。徐梗機の前で。

 

畑の立地

畑は全12ヘクタール。そのうち半分が自社畑、もう半分が借地。

言わずもがな、全てバイオです。

 

※最近は「ビオロジック」と「ビオディナミ」の境界線も(いい意味で)曖昧になって、その区分(言葉)に意味を成さなくなってきましたね

 

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土も樹も、美しい。 

 

Kasnyikのブドウ畑は一箇所に集中している訳ではなく、五箇所に別れています。一番離れている畑間の距離は5キロほども。これってね、色々と都合が良いんですよ。

 

例えば、ある年の冬、畑Aであまりの寒さに芽が凍っちゃう、ってことがあります。

ところがそんな時、畑Cではそんなことは全くない。

 

要はリスクヘッジになる、とのことです。 

違う見方をすると、近距離でそんなにも気候に違いが出る、といえます。専門用語で恐縮ですが、ミクロクリマ(微気候)ってやつです。局所的な範囲で、多様性が生まれます。

 

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最適な向きに拓かれた斜面。その斜面を絶妙な微気候が流れるんだよ。これが最高のブドウが生まれる大きな要因の一つだ

 

 

土壌

Kasnyikの土壌ですが、主に粘板岩が多くを占めます。

 

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ふっかふかのKasnyikの土。土の下もほっかほか。

 

粘板岩土壌、知っている方も多いかもしれません(ソムリエ・エキスパート試験受ける方、お勉強頑張ってますか?)

スレート」とも言います(Gabrielさんの表現はこれでした)。

 

一番有名なスレート土壌の産地っていえば、ドイツの銘醸地・モーゼルですね。

あとは、スペインのプリオラート。ここでは「リコレッリャ」と呼ばれます(視察したことありますが、これまた素晴らしい立地と畑です)。

スロバキアにだって、スレートの銘醸地 あるんですぜ、ワイン好きの紳士淑女諸君。以後お見知りおきを。

 

注目すべきは、ストレコフの土壌は、鉱物と粘土が豊富に含まれた土壌であるという点。

 

より一層ミネラリーで、糖とのバランスが抜群さ。ストレコフの力はここも大きい

 

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こういう会話してる時が一番楽しいですよね

 

 

伝統が引き継げた “わけ” と ワイナリーの始まり

ワイナリー・Kasnyik自体は2006年設立ですが、その歴史はもっと昔に遡ります。

そのワイン造りの伝統は、一族から代々引き継いだものです。←なぜわざわざ太字で強調したのか。普通は引き継げないものだからです、スロバキアでは

 

社会主義時代の話です(※前回の記事も参考にして下さい)。

 


 

このブログでも何度となく書いていると思いますが、スロバキア・チェコにおける、特に個人・家族経営でのワイン造りの歴史って、等しくこの時代で伝統が途絶えています(「途絶えさせられた」が正しいでしょうか)。

大規模生産者は除きますが、みな同じ、暗い歴史を辿っている。今まで出会った中小規模ワイナリー、みんなです。必ず、この話になります

 

しかし、Kasnyik一族の場合、ワイン造りに関する先祖代々の伝統製法は途絶えずに済みました。なぜでしょう。

 

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社会主義の時代。土地の個人所有が認められず、多くは国に徴収されます。一族の畑から古いブドウ樹も引き抜かれ、他の農作物のために使われたり。

 

しかし、実は250アール(ヘクタールの3分の1)は “所有は” してもよかったんです。これを、Kasnyik二人の祖父母と両親は大事に所有していました

 

もちろん、そんな広さでは商売になんかなりません。

商売にはならない。でも、残されたそんな狭い畑でも、細々と、個人的にワイン造りは続けていました。

現ワイナリーオーナーのTomás・Gabriel兄弟も、幼い頃からそれを手伝います。


だからです。Kasnyik一族のワイン造りの経験や知識、伝統を途絶えさせずに今へと引き継ぐことができたのは

 

そして、小さな頃からワイン造りを手伝っていたTomás・Gabriel兄弟。ご両親は、二人の子供の持つワイン造りの才能に気づきます。

そして民主化されてしばらく、ご両親は決心します。

 

2005年、ご両親は二人の子供にお話をします。Kasnyik一族の持つ全ての畑と醸造所を継承しないかと。

そうして二人は、一族の有形・無形の伝統を継承することを決心します。

 

これが、ワイナリー「Kasnyik」の始まりです。

 


 

 おわかりいただけただろうか。

 

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美しい地下セラー

さて、場所を変えて話は続きます。

 

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醸造所の地下深く、Kasnyic自慢の地下セラーがあります。

この素敵な階段を下りて行くと…

 

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ビューテホー

 

なんと静謐な空間。「ほぇ〜〜」しか口にしてなかった気がします。「この日本人頭悪そうだな」って思ってたことでしょう。

 

整然と並んだ樽の中で呼吸を続けるワインの香りが、ここには満ちています。

 

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この地下セラーで、発酵〜熟成〜ボトリングまで行われます。

セラー温度は年間通して12〜13℃。発酵に最適な温度、というわけです。

 

この地下セラーの壁、すべてレンガですよね?

これね、ブラチスラヴァ市内にあった古い古い建物に使われてたレンガ。その建物が取り壊される際、お願いして全てのレンガを引き取り、それを利用してセラーを造りました。

 

新しく綺麗なセラーに見えますが、実は歴史が染み込んだ空間。無駄にさすりたくなります。

 

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醸造について まとめ

ここからはお兄さんのTomásさんにバトンタッチし、醸造とワインについついてあれこれとお聞きします。

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兄のTomásさん。この瓶内、気になるでしょ。これはまた次の機会に。

 

  • 栽培から醸造まで、一貫して亜硫酸に頼らないで済むワイン造り
  • ワイン醸造プロセス中の介入を最小限に抑える
  • 全てのワインは天然酵母による発酵
  • 全てのワインはノンフィルターで瓶詰め
  • 発酵後、8ヶ月までは二酸化硫黄は使わない。様子を見て瓶詰め前に極少量使用。特に、発酵・マセレーション時には絶対使いたくない
  • 全ての白ワインはシュール・リー法。ボトリング直前まで、澱(オリ)と接触させる。
  • 全ワインのTotal Sulphur Dioxide(総亜硫酸濃度)は30〜40mg/l まで。

 

などなど。Kasnyikの醸造哲学が詰まったお話を聞きます。

 

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認証の有無 そして栽培/醸造哲学

前回記事のMARADAと同じく、ナチュラル認証の類は取得していません。これは完全に彼らKasnyikの意思で、あらゆる認証を取得する必要が無いと思っての判断です。

 

こんな話をしてくれました。

 

フランスの、あるビオディナミ栽培のワイナリーに視察に行った時の話だ。そのワイナリーは、ビオディナミの認証を持っている。

しかし、ワインを発酵させるそのイースト(酵母)は、実はアフリカから持って来たものだった。その土地の天然酵母じゃなかったんだ。
つまり、「その土地で産まれたワイン」なんかじゃなかった。ビオディナミってなんだって気持ちになった。

僕らは「ストレコフのワイン」を造りたいんだ。栽培から瓶詰めに至るまで、ストレコフの土地と伝統をワインにしたいんだよ

認証なんていらない。アワード(受賞)もいらない。この土地のイースト、亜硫酸に余分に頼らないこと、そしてバイオの畑。これがだけがあればいい

 

※日本でもよく「○○○アワード受賞ワイン!」とかありますよね。「ああいうコンペティションには何の興味もないし、価値もないと思っている。だからエントリーもしたことない」っておっしゃってました。

 

栽培〜醸造に至る様々な質問に真摯に答えてくれるKasnyik。

そこから明瞭に浮かび上がってくる、強靭な哲学ストレコフワインへの情熱

 

聞けば聞くほど、背筋が伸びる思いにさせられます。私すげーラフな格好で来ちゃったんだけど。

 

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築100年以上の「試飲ルーム」 

地上に戻ります。太陽が目に痛い。召されそう。

 

ワインの試飲は、Kasnyik一族が100年以上前に建てた当時のお家にて。

 

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試飲ルーム。ブドウ畑のただ中にあります。

 

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 めっちゃ良い雰囲気。住みたい。住まわせて。

 

最初に出て来たのは、「グリューナー・フェルトリーナー」、そして「ヴェルシュリースリング」。

 

これが、桁はずれに美味しい

 

綺麗な酸味、ジューシーな果実味。サラリとしてるのに、果実のふくよかさを残す口中。「変わった香り」でも「流行のナチュラル風味」でもなく、まっすぐに表現された、非凡なフレーヴァーがたっぷりと香るワイン。

 

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こっちが心配になるくらい次々抜栓してくれます

 

この白品種、「グリューナー・フェルトリーナー」、そして「ヴェルシュリースリング」。スロバキアではメジャーな品種です。

 

しかし、Tomásさんによると

特にストレコフでは、グリューナーヴェルシュリースリングが中心。むしろ、ここでこそ、その輝きを発揮する。

とのこと。これ、ソムリエ試験に出るのでノート取るように(出ません)。

 

その流れで、以下のような懸念を話してくれました。しかしそれは同時に、信念でもありました。

 

「グリューナー」と「ヴェルシュリースリング」は、スロバキア全体でよく栽培されてる品種だ。
しかし、最近の主要な大メーカーは、この2品種を “安物” “質の低いもの” として扱っているように見て取れる。

彼ら大メーカーは、カベルネ・ソーヴィニョンとかシャルドネといった品種ばかりを次々と植えている。なぜかって、そういった国際品種でワインを造った方が “売れやすい” んだ。「土地に合っているから」ではなく、「売れるから」という理由で。
ここ10年で、この2品種の栽培面積は落ちている。これからの10年で、この傾向は激しくなっていくだろう。新しくこれら(スロバキアの)伝統品種を植える方向に進んでいないんだよ。

 

(…それわかるわ。スロバキアのカベルネはどれもあまり良くないのに、どのメーカーも造る。スロバキアに合わないだろってわかってるはずなのに。対してグリューナーとヴェルシュリースリングは、どこもめっちゃ安売りしてる)

 

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でも本来、この2つの白品種は、この土地にとって代表的で、貴重なものだ。ただ “栽培しやすいから” ではなく、「テロワールに適合しているから」「これが最高だから」、そういう気概で栽培し、ワインを造っている。
「グリューナー・フェルトリーナー」「ヴェルシュリースリング」。この貴重で素晴らしい品種を、僕らはストレコフで表現し続けて行くよ。

 

ついていきます、先生

 

これも貴重で面白いお話。

 

他にも、「周辺ワイナリーついて」「ナチュラルワインメーカーの闇」「オレンジワインの流行の裏事情」などなど、非常に興味深いお話を聞かせてくれます。

 

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本当は、早くワインについて触れたいところなんですが、ここでは割愛させていただきます。 

まじでうまいんですよ。リースリングとか、ロゼとか、ブドウ漬けワイン(←これ早く紹介したい)とか。 

 

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Tomásさん・Gabrielさんお二人とも、最初から最後まで、「ストレコフという土地」と、「自分たちのワイン」への強固な信念を端々に感じさせます。

 

その強靭な哲学。まっすぐ、一点の曇りなく。

 

 

そんなStrekovワイナリー・Kasnyik。来月、日本の皆様に初お目見えとなります。

 

刮目せよ、ストレコフの伝統と哲学。

 


 

今度輸入する新規ワイナリー紹介はここまで。

 

実は、ストレコフのワイナリーは他にも視察してましてね。

事情があって今回輸入はしませんが、来年には。そこも面白いワイナリーなので、ご紹介はまた今度。

 

 

チェコ、そしてスロバキアと、視察の旅路で出会った2ワイナリー。

ざっと紹介してきましたが、本当はまだまだ語りたいし写真も見ていただきたいものがたくさん。

 

まとめると、2ワイナリー共通するのは、どちらも最初の1杯目の香りを取った瞬間に

ふぉ……

って声が漏れたってことですね。

 

双方とも、私の思う「最高」に出会ってしまった感でいっぱい。よく出会えたなぁ。

 

 

そんな素敵な生産者の生み出すワインは、来月、日本初上陸です。

それまで、しばしお待ちを。

 

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ワイナリー視察探訪1 〜チェコ自然派ワイナリー編〜

ブログ書くぞ書くぞ書くぞ書くぞ書くぞ書くぞ書くぞ書くぞ書くぞ書くぞ書くぞ書くぞ(血走った目)

 

 

 

こんにちは私です代表です村山です。

 

 

  

ただ今、博多から岡山に向かう新幹線の中、これを書いています。

 

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次々やってくる案件の雨、頭の痛い問題の嵐。そんな、暴風雨のような毎日の中、「ここしかない」と針の穴を通すかのように書く。書いている。私は風。九州から近畿を吹き抜ける一陣の風。このか弱き指は疾風となり、音速を超え、タイピング音は遅れて聞こえる。そして同時にミスタイプの嵐も呼んでいる。

 

「ブログ書き終えざるもの、新幹線降りるべからざる」という狂気で自分を追い込み、キーボードを叩いています。私の並びの座席に座っているこの人は、よもや自分の近くにこんな狂気が座っているなんて思ってもないでしょう。

 

いつか、湖のほとりとかでコーヒー飲みながらゆったり、誰の役にも立たないくだらない記事を量産し続けるスロウライフに転換していきたい。

 

 

さて本日は、8月に新規ワイナリー視察旅、そのごくごく一部に関しまして。

 

↑ 今気づきましたけど最低な記事タイトルですね

 

ってわけで、スロバキア、そしてチェコから帰って来て、ご報告もままならないまま現実にリダイヴしておりましたが、ようやく書いてます。

 

 

今度輸入する新しいワイナリーのご紹介からしていこうかなって。多分、ワイナリーごとに2〜3回に分けて記事投げます。

 

ご興味のある方、お付き合いいただけましたら幸いに存じます。

 

 

まずはいきなり、新天地・チェコのワイナリーから。

 

 

チェコで出会った小さな自然派ワイナリー

みなさん、チェコって言ったらもちろん「ビール」が思い浮かびますよね。私も何度となく口にしたことがありますチェコビール。うんまいですなぁ。

 

しかし、「チェコワイン」ってのは聞かないのではないでしょうか(てかそもそも「スロバキアワイン」も、普通聞かないよなって思い出しました今)。

私、チェコワインは展示会なんかで何度か口にしております。実は隠密にそういうのに顔だして市場調査とか挨拶みたいなことしてるんですね。すごい、かっこいい、仕事してる人みたい。

 

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何回かに渡りチェコワインは口にしていますが、正直言っちゃうと、「感想は特にないでござる」が感想でした。

10くらいの生産者のワインしか飲んでないので、「国の特徴」というにはデータも経験も足りませんし、まぁそんなものでしょう。 

 

そんな中、「こんな出会い、そうそうない」って今も確信してる最高の造り手に出会いました

 

チェコで邂逅した自然派ワイナリー、その名もMARADA(マラダ)。

 

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このワイナリーの情報、ネットでも全っっ然出て来ません。

 

◆生産地域と生産者

チェコ共和国、Moravia(モラヴィア)地方

 

スロバキアとの国境にほど近くにMikulčiceって小さな村があります。「ミクルチチェ」っていいます。口気持ちいい村名ですね。

ミクルチチェミクルチチェミクルチチェ。繰り返し口にしたくなる響きチチェネねぇ。

 

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↑ スロバキアの首都、ブラチスラヴァ周辺から車で1時間くらい

 

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↑ このような、どこかうら寂れた小さな村で、2006年、ワイナリー・MARADAは創設されました。12年目です。

 

ワイナリー名「MARADA」の由来は、例によってお名前から。苗字ですね。

んで、ほぼたった一人でワイン造りをしている生産者がこちら。

 

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赤ワインの地下熟成セラーにて。

 

Petr Maradaさん

なんとミュージシャン。バイオリニストです。

 

ふんわりとした雰囲気の人間なのですが、バイオリニスト兼、醸造責任者兼、栽培責任者兼、オーナーという軽く変人かなってスーパーマンですよね。

 

ワイナリーのロゴ、今一度見てくだされ。

 

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ね、バイオリンをモチーフにしていることがわかるでしょ。

 

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ワイナリー入り口。素朴な雰囲気。

 

Petr Maradaさん、チェコのBrno(ブルノ。南東部)にある「メンデル農業大学園芸学部」を卒業してるんですけどね、質問したんですよ。

 

今のブドウ栽培の知識はその大学で学んだの?

 

いや、あんまり

 

新喜劇みたいにズッコケましたけど、この彼の「栽培知識/経験」に関してはまた後で。

 

◆畑について

 

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醸造所の前には洗浄中のステンレスタンクなどが雑然と。


畑は全8ヘクタール。かなり小さいですね。

 

5年前に完全にビオロジックに転換しています。

「苦労はあったが、何の問題もなく馴染んだ」とのことなんですが、実はこれ結構すごいこと。長ったらしくなるので割愛しますが、バイオに転換後、そんな簡単に馴染むことはそうそうありません。それも含めて、先の栽培技術と知識について聞いたんですけどね。

 

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ちなみに 認証について 

で、認証機関には登録してないんですよ。 認証取得にあんまり積極的じゃないってのもあるようなんですが、スロバキアと同様、やはり複雑な歴史が少し関係してます。

 

※スロバキア(チェコも同様)の複雑な歴史に関してはこちらをご参考に。

 ↓

 

簡単に言うと


「チェコスロバキア社会主義共和国」の時代、私有地のほとんどは国に奪われます。その後、民主化したはいいものの、今も土地の再区分がまだまだ進んでいない / 不明瞭な場所が多い。MARADAの畑も同じく、“ここからここが○○さんの土地だよ”という明確な区分が役所で成されていない。

そのため、認証を取るにも、機関に対して「この場所にある畑だよ」と示すことが(お役所的に)できない。


ってことです。

 

私個人的には、オーガニック認証とかバイオ認証とかの有無、全く興味がないので、「別にいいんじゃない、無理して取らなくても」ってPetr Maradaさんには伝えてます。

 

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お話ししながら泡の抜栓。この左手の状態、どういうことか わかる人にはわかりますね?

 

 ◆主要栽培品種と味わい

MARADAの栽培品種は、主なところだと以下。

Ryzlink rýnský(リースリング)

Ryzlink vlašský(ヴェルシュリースリング)

Chardonnay(シャルドネ)

Tramín červený(ゲヴュルツトラミネール)

Rulandské modré(ピノ・ノワール)

Modrý Portugal(ポルトギーザー)

※上記品種表記は、スロバキア・チェコでの一般的な表記です

 

で、試飲の一発目。ワイナリー『MARADA』とのファーストコンタクト。

 

リースリングが出て来ました。

 

……

 

琴線に触れる」ってやつです。まさに、綺麗なバイオリンの音のように。

 

もう香りだけの時点で確信しましたよ。「私、あなたに会いにチェコに来たわ」って。

 

そのあと、次々と出てくるワイン、そのどれもが素晴らしい。

決して “洗練された” ワインではく、なんと言うか、どこか「牧歌的」な味わい。

素朴なのに、深くまで入り込んでいくような。

 

※ワイン個別のテイスティングに関しては、輸入が完了した来月中旬以降に記事に書きます

 

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重力を利用したワインの移動システム(写真上部、結構アナログな方法)とか澱引きについて説明を受ける酔っ払い

  

◆ 栽培知識・経験 / 醸造哲学について

先ほど軽く書いた「栽培の経験値」について。

 

素晴らしいワインを飲んで悶絶しながらも、あれこれと質問するわけですが、その中で

 

そういう栽培知識とか経験はどこで学んだの? どっかで修行した?

 

彼の答えはこうです。

 

いや、全然。
幼い頃から、ずっと農業を営んでいた おじいちゃん(現88歳)と馬に乗って畑に出て、耕作を手伝っていた。
小さな頃から畑にいる。感覚でわかるんだ。ただの経験だよ。

 

ここ、ミクルチチェは、古くは農業が盛んな村でした。

小さな頃から畑で育ち、土の声に耳を傾けてると、こんな才能が羽化するんでしょうか。こんなに小さな無名の村で、こんな素晴らしいワインを生み出せるんでしょうか。

 

私もいつか言ってみたい。「なんでそんなくだらない文章書けるんですか?」「小さな頃からくだらないことを考えている。感覚でわかるんだ、くそみたいな文章だって。ただの経験だよ。」

 

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◆地下の熟成セラー

醸造所からすぐ近く、主に赤ワインを熟成するための地下セラーに向かいます。

 

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地下セラー入り口。壁の絵柄が可愛い。伝統的な装飾。

 

一族代々の地下セラー。なんと150年前に作られたそうです。私がまだ学生の時でしょうか。

 

古い古い石の階段を下りて行きます。気温がグッと下がります。

 

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なんとまぁ。

 

「なんとまぁ」しか口から出ない自分のIQの低さが疎ましいところですが、セラー内部はワインを中心に有機的な香りに満ちたワンダーランド。

 

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通路の壁はこんな風にカビが / 発酵でワインが吹いてます

 

この地下セラーにて、「樽に移したばかり」 「ただ今熟成中」 「瓶詰め待ち」 「過去のキュベで(実験的に)熟成を続けているもの」など、様々な赤ワインを飲みます。

すごく飲みます。これも仕事。権利にして義務。退廃にして正義。禁忌にして祝福。 

 

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ちょっとした面白エピソード。

 

地下セラー内部には、レンガを継ぎ足したような「変な空間」があります。そこにはワイン樽がありますが、壁に囲まれ、通り抜けすることも樽に触れることもできない。

 

「ここなに?」と聞いたところ、面白い回答でした。

 

この “ちょっとした増築” は、おじいちゃんの仕業。
第二次世界大戦の最中、自力でレンガを積み、戦火からワインを守ろうとした跡だ。
ワインは守れたけど、壁を崩さないとワイン樽を取り出せもしない。結局そのままにしているんだ。

 

逃げて。壁作ってないで逃げて。ワイン樽じゃなくて自分を守って。

 

まったく、なんというワインへの愛。その血を引いたPetrさんのワイン。めちゃくちゃ美味しいのも道理ですよね。

 

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150年もの昔から、様々なワインが息をし、静かに眠りについていた。ワインと共に、いろんな思いや歴史も染み込んだ洞窟のような地下セラー。

そんな空間で、話は尽きません。

 

と、こんな感じで、実に4時間以上の試飲。

お忙しいところ、日本から来た弱小インポーター のために時間を割いてくれました。心から感謝。

 

そんなチェコの自然派ワイナリー・MARADAのワインは、来月、日本上陸です。

刮目せよ。チェコの力。

 

お楽しみに。

 

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生きてるってば。

 

 

 

こんにちは私です代表です村山です。

 

 

 

私、ここにいるよ。たしかに息してるし、株式会社シェルドレイクさんも存命ですから。 

 

 

あの、ちょっとブログが滞ると

 

「息、してる?」

「どう?あの世」

「どう?倒産後の世界」

「うちで働く?」

  

のような連絡が各所からやってくるシステム、そろそろやめてもらえませんか。

たしかに、明日の我が身が自分でもどうなるかわからないネヴァーエンディングストーリー送ってますけども、生きてるし存続してます。元気に、健やかに。

 

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